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懐かしマンガレビュー 「(有)椎名百貨店」他 ~GS誕生前夜~ [コミック]


有・椎名百貨店 1 (少年サンデーコミックス)

椎名高志という漫画家を知ったのは、正確にはどの作品だったかは覚えていない。当時週刊少年サンデー本誌と月刊のサンデー増刊を両方読んでいて、「Dr.椎名の教育的指導!」や各短編読切を楽しみにしていたのは確か。

今、手元にコミックなどなく、記憶をもとに書いてるので掲載順序や時期など正確でないかもしれない。

ただ、印象に残った作品は、読切の「ポケットナイト」が最初のような気がする。
遺伝子操作かなんかで知能が高くなり、しゃべれるようになったネズミと、そのネズミが逃げ込んだ家に住む小学生の女の子(上のコミックス表紙に大きく描かれている子)との、ちょっとせつないハートウォーミングストーリー。
ところどころにギャグが入りながらも、決して物語の雰囲気をこわすことなく、かえって登場キャラの真剣さをひきたたせる。
また、その女の子は母親と死別していて父親と二人暮らしで健気に家事をこなしている、というのも余計な設定じゃなくて、ちゃんと女の子のキャラの要素して必要十分なものになっていた。

この話に限らず、この作者は、「永いお別れ」「はじめてのおつきあい」など、同じように、ギャグのまじったちょっと心にしみる話を描くのがとても上手い。
そのためには、人物の心象描写が上手くなくちゃいけない。
表情の描き分けや、説明的じゃない自然なセリフ回しでそれを読者に伝える力が優れているんだと思う。

ドタバタギャグで始まった「GS美神」も、中盤以降にはシリアス展開が増えてくるのだけど、ギャグとシリアスのバランスがとてもよく保たれている。
こういうところに、もともと持っていた作者の特徴がいかんなく発揮されているように思う。


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